題名:インスタントラーメン界の異彩を放つマルタイラーメン
報告者:トンカツる
一般的にインスタントラーメンは縮れ麺である。その縮れ麺の利点は、はたしてスープが絡み易いということにあるのであろうか1)。文献2)によると、縮れ麺は特段にスープに絡み易い訳ではなく、「同じ太さの場合、縮れ麺よりもストレート麺の方が、スープが絡み易く、麺は細ければ細いほどスープがよく絡む」という実験結果も得られている。このことから、縮れ麺は決してスープが絡み易い訳ではない。ここで、一旦インスタントラーメンから離れ、北海道にある味噌ラーメンを生んだ老舗の「味の三平」様の情報3)によると、縮れ麺はスープに絡むよりも、むしろプルンと唇を楽しませてくれる麺としての利点もあるようである。また、麺のコシを感じさせる上でも縮れていることにより、よりコシの食感を味あわせる可能性も示唆された。すなわち、生麺ではないインスタントラーメンにおいて、このプルンとこのコシを堪能させることができるようにしたことが、インスタントラーメン界における縮れ麺が多い理由になるのかもしれない。それに対して、ストレート麺のインスタントラーメンは極わずかである。その中でも異彩を放っているのが、標題のマルタイラーメンにおける棒ラーメンである。
この棒ラーメンは、縮れ麺ほど嵩張らないために、古くは登山する人にとっては有名なインスタントラーメンであった。その製造元であるマルタイ社は、昭和33年に福岡県で設立されたインスタントラーメンの会社であるが4)、地方の会社によくあるパターンとして、地方のみで有名であり、市場ではどうしても規模が小さい。そのため、インスタントラーメンは、未だ多数を占める縮れ麺であるとの印象が強く、マルタイラーメンの棒ラーメンのようなストレート麺があることすら知らない人も多いかもしれない。著者は、うどん、そばには棒状のものが多いにもかかわらず、縮れ麺のみがインスタントラーメン界を席巻している状況が不思議でならなかった。そこで、ある時に店頭でひっそりと売られていたマルタイラーメンの棒ラーメンに白羽の矢が立った。その当時は、これ一種類しか店頭になかった。筆者は昔から山登りが好きだったこともあろうが、店頭でひっそりと販売されている棒ラーメンとの出会いに、無償の喜びを感じた。まさに、ストレートな運命の赤い糸であった。マルタイ社の棒ラーメンのパッケージを図に示す。生の風味と記載してあるように、他の縮れ麺のインスタントラーメンとは異なる食感が持ち味である。また、スープも他者のインスタントラーメンにはない味わいがあり、それがストレート麺と相まって、これまたストレートに心に響く。
現在、マルタイラーメンから販売される棒ラーメンの種類は増えた。一時はマルタイ社は業績予想において、5億円以上の営業赤字もあった6)。しかしながら、実は今、台湾という麺の本場において爆発的に売れているインスタントラーメン、それが、このマルタイラーメンである。
図 マルタイ社の棒ラーメン5)
1) http://www.weblio.jp/content/縮れ麺 (閲覧2016.1.21)
2) http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/13/12/1208.html (閲覧2016.1.21)
3) http://www.ajino-sanpei.com/04_02.html (閲覧2016.1.21)
4) http://www.marutai.co.jp/company/summary/ (閲覧2016.1.21)
5) http://www.marutai.co.jp/products/stick/post_20.php (閲覧2016.1.21)
6) https://ja.wikipedia.org/wiki/マルタイ_(企業) (閲覧2016.1.21)
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